時代が必要とする福祉の仕事
福祉の仕事は、これからますます増えていくでしょう。
まずそれは、少子高齢社会のなかでの生涯と関係があります。
私たちは、かつては寿命も短く、わが家の仕事と資産で生活を成り立たせていた人々が多くいました。
そのなかで、高齢者は家族に介護されつつ旅立っていたからです。
その家族の数も減ってきました。
また昔は、母親が働いていても、それは、わが家の仕事を家の中や家の近くでやっていたため、子どもたちにも目が届いていたのです。
それに多少障害をもっていても、やはり家族や地域が、その人たちに対応しながら生活がなされていたのです。
ところが現代は違ってきました。
いわゆる産業化の波が押し寄せてくるなかで、家産家業で生活をする人の数が、急速に減り、賃金生活者が増えていったのです。
今や、国民の8割近くが賃金生活者です。
その人たちは、親を扶養していてもまた子どもの数が増えても、さらに障害をもっている子どもがいても、賃金そのものは、一定の水準によって決められます。
そればかりではありません。
賃金生活者は都市へ都市へと集まるなかで、それまでの大家族とは異なり、いわゆる小家族になり、核家族化しています。
したがって、家族が、高齢者や障害者の介護に当たることがしだいにできなくなってきました。
地域社会も、皆がそれぞれの場に勤めにいくので、バラバラになってきました。
今や、女性も外で、しかも時間をかけながら通勤して働くことが当然になってきているのが現実です。
家族だけで高齢者や障害者や共働きの子どもたちを守る、さらに支えるということは、しだいに不可能になってきているのです。
このようななかで、保育や養護、介護などの福祉サービスがなくては、人生が営めない、生涯をおくれないという時代に入ったのです。
それだけに福祉サービスを担う人、つまり福祉で働く人々は、今後、ますます必要になっていくでしょう。
その人々がいなければ、それぞれの生活が成り立ちがたいし、家族も共倒れになってしまいます。
また、福祉の仕事が増えることによって、互いに心豊かなゆとりをもった生活をおくることも、可能になってくるからです。
ことに、真に人間らしい社会とは、たとえ血縁であってもなくても、人類と地球の共存へ、責任をもつ人を増やすことではないでしょうか。
福祉の仕事は、そのことをめざしつつ、専門的に職業として担うものだと思います。
それだけに福祉の仕事をひろげると同時に、そこで働く人々も楽しく、そして質の高い福祉の仕事をしていく必要があるといえましょう。
重症心身障害児施設
どんな職場か
児童福祉法にもとづく児童福祉施設の一つ。
重度の知的障害と肢体不自由をあわせもつ子どもまたは成人が入所し、医療的なケアと日常生活での指導、援助を受ける施設。
入所者は、日常生活では全面的な介護を必要とし、同時に障害による健康上の問題を抱える人も多い。
生活や情緒面でのケアのほかに、病院として、常時医療面でのケアが必要。
肢体不自由児施設や精神薄弱児施設と異なり、日常生活の基本的動作までの指導、援助がおこなわれる。
求められる職種(どんな職種があるか)
児童指導員、保母、理学療法士、作業療法士、看護婦、栄養士、調理員など。
社会のなかでの位置づけ
入所者は本来児童(18歳未満)だが、実際は成人も多く、重症者の受け入れが難しいことの現れでもある。
重症児の半数は在宅で介護されている。
障害児全体のなかで重症児の占める割合は大きくなり、超重症児の割合も増え、職員の対応は難しくなっている。
現在、全国に78ヶ所あり、合計10,043人の職員が働いている。
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